
訪問診療とは

あらかじめ医師が診療の計画を立て、患者さんの同意を得て定期的に(たとえば一週間に一回あるいは二週間に一回など)患者さんの自宅、老人ホームなどの施設に出向いて診療するものを「訪問診療」といいます。
医学的理由(認知症、癌末期等)で一人での通院が困難な患者さんが訪問診療の適応になります。訪問診療では医師による診察や薬の処方のみならず、採血・レントゲン・心電図・超音波検査なども行えます。当院は市からの補助を受け在宅診療用の機器を整備しております。


在宅療養支援診療所
訪問診療を受けるときに心配な事は、急に具合が悪くなったときに診察してもらえるかという事だと思います。
この心配に対して、「在宅療養支援診療所」という制度があります。
これは
①主治医が24時間対応で連絡を受け診察することができる
当院は2人の常勤医でオンコール体制を整えており、ほぼ365日どちらかの常勤医が対応いたします。
②主治医が対応できないときは別の医師(連携医と言います)が診察する。
③訪問看護ステーションの看護師に24時間対応で訪問看護が受けられる。
④緊急時に入院できる病院が確保されている。
⑤他科の医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、ケアマネジャーなどと連携している。
当院は以上の要件を満たした「在宅療養支援診療所」ですのでご安心ください。


対応可能疾患

急性期病院の主治医と相談の上、自宅での療養が可能と判断される病状についてはできる限り対応いたします。
点滴が必要、カテーテルが留置されている、酸素を使用されている方なども対応可能です。
自宅で最期まで過ごしたい患者さんについてもご協力させていただきます。


訪問可能な範囲
クリニックより半径16kmの範囲で訪問診療可能です。静岡市内ほぼ全域が入ります。



費用について
各種健康保険が適用されます
下表は費用自己負担分の概算です。
標準負担月額は、月2回以上の訪問診療費を行い、24時間の緊急体制に対応する在宅時医学総合管理料(月5000円程度)を合計した1ヶ月あたりの負担金額です。
費用は病状、訪問診療先(在宅か施設か)によって変化します。
高齢者(70歳以上)
対象者 | 負担割合 |
標準負担月額 (月2回の訪問診療、 処置や検査等無い場合) |
自己負担限度額 |
後期高齢者 (75歳~,障害のある65歳以上) |
1割 | 約6,500円 | 18,000円 (年間上限14.4万円) |
前期高齢者 (70~74歳, 平成26年4月2日以前に70歳到達の方) |
1割 | 約6,500円 | 18,000円 (年間上限14.4万円) |
※前期高齢者 (平成26年4月2日以降に70歳到達の方) |
2割 | 約12,500円 | 18,000円 (年間上限14.4万円) |
低所得者Ⅱ・Ⅰ(住民税非課税) | 1割~2割 | 約6,500~12,500円 | 8,000円 |
現役並み所得者 | 3割 | 約20,000円 |
80,100円 ~252,600円+1% [多数該当:44,400円 ~140,100円] |
一般(70歳未満)(限度額適用認定証お持ちの方)
対象者 | 負担割合 | 標準負担月額 | 自己負担限度額 |
上位所得者 | 3割 | 約19,000円 | 252,600円程度[多数該当:140,100円] |
一 般 | 3割 | 約19,000円 | 576,00円~167,400円程度 [多数該当:44,400円~93,000円] |
低所得者(住民税非課税) | 3割 | 約19,000円 | 35,400円 [多数該当:24,600円] |
説明
医療費自己負担の上限は全国一律で決まっています。
月2回の訪問診療に加え、検査や複数回の往診などの治療を受けたとしても、1ヶ月あたりの診療費
の自己負担は、1割負担の場合、18,000円を超えることはありません。
院外処方のため薬代は別に薬局へ支払うことになります。
介護保険利用者の方は、居宅療養管理指導料として、別に月額約580円の負担がかかります。
交通費は無料です。
お支払いについて
診療費(自己負担分)は月ごとでまとめ、翌月に請求させて頂きます。
お支払方法は窓口でご確認ください。
・在宅患者訪問診療料(1日につき) …………………………833点×2
・往診料再診料 …………………………3,450点
・在宅時医学総合管理料(月1回) …………………………4,600点
・採血などによる検査料(項目により異なります)…………………………約500点
・診療情報提供料(Ⅰ) …………………………250点
1点=10円 …………………………約10,466点1割負担の患者さんは10,466円の自己負担となります。
3割負担の患者さんは31,008円の自己負担となります。
例2)
癌などの終末期の患者様。週に1回訪問診療(自宅)、同月末にお亡くなりになられた場合。
・在宅患者訪問診療料(1日につき) …………………………833点×3
・住診再診 …………………………850点
・在宅時医学総合管理料(月1回) …………………………5.400点
・頻回訪問加算 …………………………600点
・在宅ターミナルケア加算 …………………………6,000点
・看取り加算 …………………………3,000点
1点=10円 …………………………18,349点1割負担の患者さんは14,000円(上限を超えたため)の自己負担となります。
3割負担の患者さんは55,047円の自己負担となります。
*別途死亡診断書発行料として5,000円いただきます。
上記計算例はあくまでも一例となります。褥瘡の処置、点滴、在宅酸素などを行うとまた点数が大きく変わってきます。同じ診療内容でも書類作成の点数を追加する月などは自己負担が追加されることもあります。
ご不明な点はいつでもお問い合わせください。
